知っておくべき VPN のメリットとデメリット

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知っておくべき VPN のメリットとデメリット(初心者指南)

2023年2月3日

自宅以外の Wi-Fi によく接続する人は、知らない間に不安全なネットワークに接続してしまっていることがあります。特にネットワークゲームを楽しむ方は、そういった危険性と裏腹なネット生活になりがちです。

また、短期の海外旅行、出張、はたまた留学に至るまで、日本国外にいても、日本国内と同様のネット生活を楽しみたい方や、常時インターネットが監視されるような環境にいる方にも、VPN は設定しておくべきツールです。

このページでは、これから VPN サービスを利用しようと考えている人に、VPN を使うメリットとデメリットを詳しく本音ベースで解説します。また、当サイトが実際に試したサービスの中から、状況別にオススメの VPN を厳選比較します。

本ページはこんな方におすすめ

  • VPN を使う意味って何?
  • ネットの安全性を確保したい
  • 個人情報が抜かれるのを阻止したい
  • ネットバンクへのアクセスで情報漏れしていないか心配
  • ネットワークゲームをどこでもしたい
  • 海外から日本の動画を見たい

本サイトで紹介している VPN と同様の働きをするシステムは、一昔前は専用線を利用するタイプのものが主流でした。専用線の使用料金は高額であるため、企業の中でも余裕のある会社でないと活用できないという現実がありました。その高額な専用線をバーチャル回線(インターネットを利用して疑似的に専用線を構築する技術)に置き換えたものが、VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)になります。

VPN が必要かどうかを吟味する

VPN というものを理解していないと、セキュリティ的にとんでもない過ちを犯すことがあります。
例えば、以下のような思い違いです。

  • VPN 経由なので平文でパスワードを流しても大丈夫
  • VPN 経由なので http 通信で買い物しても大丈夫
  • VPN 経由なので多少の犯罪にかかわっても追跡されない

上の例は、常識的にすべてアウトですが、VPN 経由の場合は半分正解で、やっぱり結論としてはアウトということになります。
興味があれば、もう少しお付き合いください。

VPN の概要

VPN 概要

上の図は簡略化した VPN 接続の例です。ポイントは VPN でどの部分が秘匿化されるかという点です。
ハッカーマークが出ているところは、意味のある情報を盗み見できるかもしれないというポイントになります。VPN を利用していたからといって、接続する VPN 会社が通信情報を違法販売(提供)していたら、VPN を使ったとしてもデータは盗まれます。

平文でパスワードを流しても、VPN の経路では比較的安全ですが、例えば自分の PC にスクリーンキャプチャするウィルスが仕込まれていたりしたら、そのままアウトです。http 通信も DMZ 内の www サーバーにつなぐ程度なら大丈夫ですが、ショッピングサイトの場合、https に対応していない時点で、そのサイトの信頼性はありません。そういうサイトは詐欺サイトである可能性が高いです。

VPN は犯罪にも活用されるという事実がありますが、基本的には接続した相手をしらみっつぶしに当たっていけば、追跡されないわけではありません。世界中の捜査機関が協力し合えば、割に合わない結果を招くこともあり得ます。犯罪目的の使用はおやめください。

VPNメリット

  1. 公衆無料 Wi-Fi でも情報漏洩を最小限にできる
  2. 発信元特定につながる IP アドレスを隠蔽できる
  3. 仮想回線で流れるデータは解読されにくい
  4. 海外から日本国内アクセス限定のサービスを利用できる
  5. 国内から海外アクセス限定のサービスを利用できる

VPN の主たる目的は、上のリストの1から3までです。4と5は VPN を使うとオマケでできてしまう性質ですが、現状では4と5がメインとなる傾向があります。

セキュリティの弱い Wi-Fi でも情報漏洩を最小限にできる

自宅でしっかりとした Wi-Fi ルーターを使用してインターネットに繋いでいる分にはあまり問題にならないことですが、公衆無料 Wi-Fi に代表されるようなセキュリティに不安がある接続においても、高度に通信情報の盗み見を防ぐことができます。

もし、公衆の Wi-Fi ルーターがハッキングされていて、接続してくる不特定多数のデバイス情報(スマホやタブレットなど)を片っ端から収集していたとしても、得られる情報はどのスマホからどの時刻にアクセスがあり、どの VPN 会社のサーバーに繋げたのかだけです。

たとえ、スマホからいかがわしいサイトにアクセスしていたとしても、そういうサイトにアクセスしたことは分かりません。結果的に、情報の漏洩を防ぐことになります。

発信元特定につながる IP アドレスを隠蔽できる

VPN を有効にして、例えばいかがわしいサイトにアクセスしたとしても、そのいかがわしいサイトの管理者には、VPN サーバーからアクセスしてきたという情報しかわかりません。
もちろん、自分でサイトのフォームに入力した情報はそのまま相手に伝わります。

例えば、ロンドンにいる人が、日本の東京のサーバーを指定して VPN を使用してAサイトにアクセスしても、Aサイト管理人には日本からアクセスしているようにしか見えません。VP を通さなかったら、管理にかにはロンドンからアクセスしていることがミエミエになっているケースが普通です。

VPN IP アドレスを隠蔽

上の図では、VPN 会社(サーバー)の IP アドレスしか相手側にはわかりません。
多くの VPN 会社はサーバーを複数国に複数台設置していることが多いので、アクセスする VPN サーバーをうまく選べば、VPN サーバーの位置する場所からのアクセスのように見せかけることができます。

仮想回線で流れるデータは解読されにくい

インターネットは、その通信網のところどころにルーターのような機器が設置されていて、それを経由しなければどこにもアクセスできないのが普通です。そのルーターは特定のアクセスを通信内容を丸ごと複製して記録することができ、後から通信内容を解析すれば、メールの内容からダウンロード動画まで再現されてしまうことがあります。

VPN を経由していれば、通信データを複製されることはあっても、内容が解読されることはありません。実用的な量子コンピューターが登場するまで解読されそうにないというのが現実です。

VPN の暗号化の範囲

上の図の太オレンジの接続は、通信データそのものは盗み見できますが、盗み見にしても、そのデータは暗号化されていて意味不明な記号・文字列でしかありません。現在のところ計算機の速度が足りず、解読は極めて困難です。

海外から日本国内アクセス限定のサービスを利用できる

海外から日本国内アクセス限定のサービスを利用

これも上の一番目のメリットの副産物のようなものです。

パリで宿泊先のホテルから、日本国内のアマプラや Netflix を視聴するような場合です。日本国内限定の通販・宿泊サイトを海外から利用する場合も有効です。

パリに数日滞在して来週には帰国するが、とある旅行サイトでタイムセールが始まるようなケースです。海外の空港や旅先から、そのまま日本滞在のようにふるまい、サイトのタイムセールに参加できます。また、海外滞在人向けの割高オプションも強制されず、帰国したらそのチケットを利用するといった使い方が可能です。

独断と偏見を少々含みますが、海外から日本の VOD にアクセスするときは、MillenVPNが一番パフォーマンスが良かったです。

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国内から海外アクセス限定のサービスを利用できる

よくある例が、海外の通販サイトで買い物して、海外在住の知人・友人・親戚の住居に送ってもらうようなケースです。小規模なサイトの場合、アクセス今日する地域が限定されていることが多いので、この制限を回避する目的で使います。

去年(2022年)の例では、家庭外のサッカー中継(ニュース)を見るために VPN を契約する人が多かったようです。多くのニュースサイトは、そのニュース配信エリア(ニュースる属する国)からでなければ、視聴できないような設定にしていることが多いです。

また、海外で Netflix などの動画配信サービスを契約していて、その海外 Netflix を日本国内から視聴するような場合にも利用できます。

日本から海外の VOD にアクセスするときは、NordVPN が一番トラブルが少なく感じます。一時的に使えなくなったこと(接続先が拒否?またはダウン)がありますが、サッカーの中継なども普通に繋げることができました。

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VPNデメリット

VPN バッテリー消費

  • 通信速度が遅くなる傾向あり
  • PC、スマホのリソース・バッテリーを消費しがち

通信速度が遅くなる傾向あり

少し前は VPN を使うと通信速度が遅くなる傾向がありました。現在においてもその傾向はあるのですが、動画配信サイトを見る程度であれば、ほぼ問題ない速度が出るようになっています。

2022年は、サッカー生中継をいち早く見たいというユーザーが一時的に増えたため、一時的に回線が重くなるようなことが、いくつかの VPN プロバイダーに見られましたが、現在はほぼ解消挿されています(当サイトが確認したプロバイダーに限る)。

PC、スマホのリソース・バッテリーを消費しがち

通信速度とも関係しますが、VPN(ここではインターネット VPN のこと)はネットの接続を丸ごと暗号化して VPN サーバーにまで届けます。その暗号化の作業はハードウェアではなくて、ソフトウェア的に行うため、その分 CPU まわりに負荷がかかります。当然、負荷に応じてバッテリーを消費し、暗号化のための一時的記憶のためにメモリ等も消費します。昔なら、この手のリソース消費を嫌う傾向が強かったように思いますが、現在では PC の作業が重くなるほどの負荷にはならないので気にするほどのことでもありません。

スマホにおいても、ハイスペックのモデルを使用していれば問題ないのですが、旧式のモデルだとバッテリーの消費の早さが実感できてしまうかもしれません。それでも、バッテリー消費が倍になるとかいうほどのものでもないので、ここ数年以内のモデルを使用している方なら、気にしなくていいはずです。

フリー Wi-Fi を利用するなら、VPN を使うべし

フリー Wi-Fi ユーザーのための VPN

私個人が VPN を利用する一番の理由がこれです。フリー Wi-Fi に繋ぐ機会が多いからです。モバイルルーターなどを契約して、常に安全性がある程度担保された環境がある方なら、一番の理由とまではならないかもしれません。

駅構内、ホテルなどの Wi-Fi の危険性

ある程度の知識と経験がある方なら、怪しい Wi-Fi は直感的に弾けるのですが、悪者は最近はそれらしき SSID でカモを待つようなこともしていますので、過信し過ぎは禁物です。特に有名駅構内には、かなりの数の怪しいフリー Wi-Fi が存在します。そういったものに接続してしまうと、メールアドレス、SNS アカウント、メールに添付したファイルから、ひどいときには楽天などの買物情報が流出する可能性があります。

国会議事堂まわりに、本来の公衆 Wi-Fi と似た SSID を某国大使館が使用していることが知られています。繋ぐと何か情報を抜かれるかもしれないと思う人も多いはずですが、LINE などの利用者であるかどうかを探ることぐらいはできそうですね。Gmail や SNS の ID は某国としては欲しい情報かもしれません。

フリー Wi-Fi になんてつながないよ。つないだとしてもデータの送信も受信もしないよ。」なんてことを一瞬でも思った方は情弱確定ですので、今後は専門家の診断及び指南を受けることを強くおすすめします。

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Wi-Fi の自動接続機能に注意

自宅や職場では、多くの方は Wi-Fi を使うと思います。真面目なネットワークエンジニアの方は、このご時世でもギガビットケーブルで LAN 接続するようですが、そこまでしなくても・・・、少なくとも普通の人は真似しなくていいと思います。

自宅や職場の Wi-Fi に接続するとき、毎回パスワードを入力したりする人はいないと思います。また、接続もその Wi-Fi エリアに入ったら自動的に繋げてくれているケースが普通なのではと思います。
これはフリー Wi-Fi でも同じで、一度でもフリー Wi-Fi につなげて接続したことがあれば、次回からはわざわざ設定しなくても自動的につなげてくれることがあります。また、一度もフリー Wi-Fi に繋げたことがなくても、ソフトやアプリの自己判断で勝手に接続してしまうこともあります。

以上のことは、普通に考えれば手間が省けてとてもありがたい機能なのですが、悪意のある Wi-Fi に繋げてしまったら、潜在的にセキュリティホールになることは理解できます。また、よくあるケースが、今まで優良 Wi-Fi だったものが、いつの間にか悪意のある悪玉 Wi-Fi スポットになることもあります。例えば、今まで使っていたカフェが廃業して、近場の悪意の人物がその Wi-Fi の SSID をそのまま利用したり、設定の残った Wi-Fi ルーターをそのまま使用したりなど、いくらでもそういったケースは考えられます。

メールやSNSは常時接続中

かつては、ダイヤルアップ回線みたいなモノが普通にあったので、回線を意識的に開いて接続しに行かなければ、メールが来たかどうかを確認できませんでした。そのうち、数分おきにメールを確認するような機能が付加され、パソコンを起動しておけば勝手にメールを拾ってくるようなシステムが当たり前になりました。自動化が不完全でしたので、IT 機器も結局はマニュアル動作に頼る点が多かったわけです。そのため、この手をことが詳しければ、怪しい人、ハッカー、オタクなどいろいろな言い方をされました。これは 1990 年代のお話です。

現在、ご時世が全く違います。IT ネイティブが幅を利かせる現在において、メールボックスを手動で確認に行くようなことはしません。そもそも、SNS は瞬時に相手にメッセージが届くのが売りです。つまり、常時ネットに接続しているわけです。スマホやラップトップが Wi-Fi 回線の接続が有効になれば、自動的に SNS やウェブサイトの新規投稿を確認に行きます。また、Windows、macOS や android などのバージョンアップ情報も確認に行きます。その際に、登録情報で認証する場合は、その情報が抜かれることがあります。

有名メールや SNS のパスワードが漏れるようなケースは、実は少数です。漏れたとしても、OTP パスワード認証や、ショートメールでの再確認などありますので、悪用までは行かないケースが多いです。しかし、学生やサラリーマンが職場のサーバーにアクセスする際、学生番号、職員番号と所属、パスワード、メールアドーレスが抜かれていたという例は、数多く存在します。

現在の多くのネットワーク機器は、ネットに接続されたら自動的に外部にアクセスしに行く、そういう性質のものだということは認識しておきましょう。そのため、本人がネットに繋いだかどうかを意識しなくても、認識IDとパスワードぐらいは常時流しているという認識でいいと思います。

実際は ID とパスワードが別々に流れるわけではなくて、一つをセットにしてハッシュ等したものが流れます。個別の ID やパスワードが特定できなくても、アカウントが乗っ取られることがありますので注意しましょう。

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オフィスの Wi-Fi も安全とは言えない

しっかりとしたネットワーク管理者がいる場合は、そのネットワークは信用していいと思いますが、そうでない場合やネットワーク管理をかけ持ちして仕事をしているような職場では、信用しすぎるのは問題です。例えば、現在でもスイッチング・ハブを使うべきところにリピータを入れて運用しているようなネットワークがいくつもあります。この場合、悪者に入り込まれた場所移管によっては、そのネットワークにつなげている他デバイスの重要情報も漏れてしまうことがあります。

[まとめ]現状では VPN に頼るべし

VPN は現状ではネットの検閲、自由なアクセスのための自衛手段です。デメリットも存在しますが、それほど致命的なものはありません。
むしろ、メリットの方が多いといえます。VPN 接続アプリが提供されている場合は、意識的に VPN をオフにすることも可能ですので、通信速度に不満を感じたときは試してみることもできます。筆者の環境で、米国以外の海外アクセスに関してはオフにした時に速度低下した例がいくつか見受けられました。

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