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ルーターから IP アドレス割り当て不調のとき見直す3項目

家庭用ルーターで DHCP サーバーがうまく動かない、設定を無視して動くような場合は、このページにあるチェックポイントを見直すことで、動くようになるかもしれません。専門用語を使わないように極力努力しましたので、初級者がルーター設定するときにそのまま使えるように例を作っています。

本ページはこんな方におすすめ

  • 固定IP(静的IP)が割り当てに失敗する
  • ルーターに接続できる総端末の数だけを制限したい
  • IP アドレスがランダムに割り当てられすぎる
  • DHCP がそもそも動いていない

以下、前提として次の環境を想定しています。

想定環境


ルーターのデフォルトの IP アドレス:192.168.1.1
ネットワーク:192.168.1.1/255.255.255.0 (192.168.1.1/24)
サブネットは 192.168.1.0 ~ 192.168.1.255(最大で 254 台接続可能)
DHCP で割り当てたいアドレスは 192.168.1.33 ~ 192.168.1.64 の間で、32 台の端末を使用する。

なお、DHCP と言うのは Dynamic Host Configuration Protocol の略で、「IPv4ネットワークにおいて通信用の基本的な設定を自動的に行うためのプロトコルです」というのが定番の説明になります。具体的にはトランプで、ルーターが親、手持ちのスマホや PC を子として、親が子にカードを配る役割をします。もちろんそのカードは一意に決まります。
その親のことをサーバー(DHCPサーバー)、このことをクライアント(DHCPクライアント)と言っています。ゲームが終われば、カードは回収されます。

ルーターに接続する端末数を制限するのは得策か?

家庭用 Wi-Fi ルーターにアクセス制限を厳し過ぎるわけでもなく、けれども緩くもないという程度に設定するのが、現実的にはインターネットを行う環境としては使いやすくなります。かといって、200 台も同時に Wi-Fi ルーターに接続してこられたら、回線が遅くなりすぎてメイン端末の動画配信が途切れる、観れないなんとことにもなります。
そのため、IP アドレスの割り当て数を限定するというケースがあります。本例で紹介するのは、ネットワークを細かく区切って、その一部だけを使う方法です。

なお、個人や家族だけで使う分には、パスワードの管理をしっかりしていれば端末数を限定する必要はあまりないと思います。

〔DHCPチェック1〕ネットワークアドレスの設定は適切か?

よくやりがちな設定ミスですが、プロバイダから提供されたルーターのプライベートアドレスが 192.168.1.1 であるのに、このルーターのアドレスを 192.168.3.1 などに変更して、その他の設定をし直さずにエラーに出くわしてしまうケースです。

DHCP 初期設定
ルーターによっては、エラーすら出さずに DHCP が動かない、ログにも吐かないものがありますので、エラーに気づくまで時間をとることがあるかもしれません。

上の図の例では、ルーターのアドレスを 192.168.3.1 にデフォルトから設定変更したのに、DHCP サーバーからクライアントに割り当てる IP アドレスは 192.168.1.33~192.168.1.64 になっています。実際にこのような設定ができても、別ネットワークを指定していますので、各端末に IP アドレスが割り当てることができません。
DHCP 機能を使うのであれば、上のマル2番の IP アドレスを 192.168.3.33~192.168.3.64 に書き換えるか、ルーターのアドレスを 192.168.1.1 に戻して設定し直す必要があります。

多くのルーターでは、ルーターの IP アドレスを変更したら、自動的に図のマル2番の欄は自動的に自身のネットワークに属する設定に書き換えられます。たまに、気が利かないルーターで書き換えないものや、プロバイダ独自のファームウェア変更でこの項目が連携しないものがありますので、まず確認しましょう。

〔DHCPチェック2〕ネットマスク(サブネット)の設定は適切か?

ルーター ホストIP設定
ルーターのアドレスが 192.168.1.1 のデフォルトに設定しているとします。同時にサブネットマスクを 255.255.255.224 に設定したようなケースを考えてみます。マスクを 27 にする理由としては、端末を 30 台程度に限定して、ネットワークを細かく分けたいケースなどです。

ルーター DHCP 設定ミス
この際、DHCP サーバー(ルーターの DHCP 設定)に戻ってみると、DHCP サーバーの割り当てがおかしくなっているのがわかります。

192.168.1.1/27 (255.255.255.224)の場合、使用できる IP アドレスは 192.168.1.1~192.168.1.30 までになりますので、ルーターの DHCP 機能で 192.168.1.33~192.168.1.64 のアドレスを端末に割り当てることができません。割り当てたとしても、ルーターの管理しない後ケースになりますので意味のないことになります。

この場合、意図を組み込んで解決する方法としては、

  1. マスクを 255.255.255.0 にする
  2. マスクを 255.255.255.128 にする
  3. マスクを 255.255.255.192 にして、DHCP の割り当てアドレスを 192.168.1.31~192.168.162 にする

一番目のサブネットマスクを 255.255.255.0 にするというのは、デフォルトに戻すだけですので、解決策としては最も簡単です。ルーターの DHCP 機能で 192.168.1.33~192.168.1.64 にホストは問題なくあり当てることができます。一方、192.168.1.230 といった(数字の)離れたアドレスからも同一ネットワークにアクセスできるので、それが悪意のあるノードだったりする場合、管理上の手間が増えるかもしれません。

2番目のサブネットマスクを 255.255.255.128 にするというのは、端末のアドレスを 192.168.1.0~192.168.1.127 の間に限るという切り分けになります。ルーターの DHCP 機能で 192.168.1.33~192.168.1.64 の間にホストを割り振るのは 1番目と同様、全く問題ありません。

3番目のサブネットマスクを 255.255.255.192 に割り当てるという方法は、最もこのケースで的を射た設定方法です。64 ビットのネットマスクはこの場合、192.168.1.0~192.168.1.63 までのIP アドレスが使用できます。現実に端末が使えるアドレスは 192.168.1.2~192.168.1.62 までですので、DHCP 設定で 192.168.1.63 や 192.168.1.64 といったアドレスは割り当てたりしないように設定しておく必要があります。

適切な DHCP サーバーなら、自身が 192.168.1.0/64 に属してしたら 192.168.1.63 は割り当てようとすることはあり得ません。自動で修正されます。もしくは DHCP サーバーの起動エラー(設定ファイルエラーなど)になります。

〔DHCPチェック3〕管理外の固定IP(静的アドレス)を DHCP サーバーに設定していないか

上の〔DHCPチェック〕の1と2で取り上げた項目は、ほとんどのルーターでは自動的に適切な値に、強制的に変更されます。(コンフリクトも許すような柔軟性の高いルーターの場合は、強制的に適正値に変更されず、自らエラーを取り除くまで誤動作が続きます。)

一方、ここで取り上げる(自身のネットワークに属しない)管理外の固定IP(静的アドレス)設定の場合は見逃してしまっているケースがあります。すでに完成してしまったネットワークなら DHCP リレーなどを組み合わせて動くようにすることはできますが、管理が手間になるだけです。元に戻って直すのが近道で定石です。
ルーター 固定IP設定

上図の赤部分(192.168.3.*)のような、自身のネットワークに属しないアドレス設定を入れてしまうと、エラーを吐かずに DHCP サーバー機能そのものが無効になってしまうルーターがあります。自分のネットワーク構成を変更した場合は、管理外のアドレスを扱う設定になっていないか確認しましょう。

ルーターのアドレスを 192.168.1.1/27 に設定している場合(30台用)

ルーターのアドレスを 192.168.1.1(255.255.255.224)に設定している場合、図例の赤 192.168.3.*、黄色、紫色、緑色の IP は指定できません。IP アドレスはすべて 192.168.1.2~192.168.1.30 の間に納めておく必要があります。

ルーターのアドレスを 192.168.1.1/26 に設定している場合(62台用)

ルーターのアドレスを 192.168.1.1(255.255.255.192)に設定している場合、図例の赤 192.168.3.*、紫色、緑色の IP は指定できません。IP アドレスはすべて 192.168.1.2~192.168.1.62 の間に納めておく必要があります。

ルーターのアドレスを 192.168.1.1/25 に設定している場合(126台用)

ルーターのアドレスを 192.168.1.1(255.255.255.128)に設定している場合、図例の赤 192.168.3.*、緑色の IP は指定できません。IP アドレスはすべて 192.168.1.2~192.168.1.126 の間に納めておく必要があります。

ルーターのアドレスを 192.168.1.1/24 に設定している場合(254台用)

ルーターのアドレスを 192.168.1.1(255.255.255.0)に設定している場合、図例の赤 192.168.3.* の IP は指定できません。IP アドレスはすべて 192.168.1.2~192.168.1.254 の間に納めておく必要があります。
特に問題がなければ、扱いやすさはルーターのアドレスは 24 ビットマスクに歩があります。

8つ以上の固定IP(静的アドレス)を DHCP サーバーに設定する場合の注意

固定IP過登録
8つというのは1つの例です。ルーターによっては16個、32個あたりになっているものがあるもしれません(図例は16個以上登録できないと出ています)。

馬鹿みたいな話ですが、ルーターによっては DHCP サーバー側に固定 IP(静的アドレス)に設定できる個数が限られているものがあります。
やっかいなのは、8つ(または16個、32個など)のマス目(入力欄)があらかじめ見えるようなっている設定画面だと、間違って設定することはないのですが、無制限に固定IPの設定を受け入れるような設定ができるものがあります。この場合も、エラーを吐かずに DHCP を停止しているおとなしい製品がありますので、まず固定IPの設定をすべて取り除いて、テストしてみましょう。

組み込みルーターOSのメモリ割当の問題だと思うのですが、静的アドレス+ポートフォーワード(NAT等)の組み合わせで特定のデーモンがゾンビ化するようなものもあります。多くはファームウェアのアップグレードで解消されると期待できますが、プロバイダ独自のファームを組み合わせている場合は、永遠に解消しない可能性も残りますので、紹介したような原始的な方法で解決するのも手です。

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