Amazon の Fire タブレット愛用者は多いと思います。私もすでに数台所有していて、Amazon のセールのたびに購入しているという始末です。
この Fire タブレット、実のところSSIDが見えない環境でWi-Fiに繋ごうすると一苦労あったのでメモしておきます。ちなみに一年前の経験が元ネタですが、最新版の FireOS でも確認しています。
とりあえず、Fire タブレットでステルス SSID に接続
ここ一、二年ばかりの間に購入した Fire タブレットは android のバージョンアップがなされているので、SSID を直接指定して Wi-Fi に繋ぐ場合、ちょっとした注意が必要です。多くのケースでは、SSID を直接指定しなくても、WPS などで簡単に Wi-Fi の設定ができます。
しかし、ステルスにしている SSID に繋ぎたい場合は、直接 SSID を指定するのが手取り早いです。
本記事のステルス SSID 接続方法は、 android 9 以上の android 端末にも有効です。
Fire タブレットの「設定」から「インターネット」、「wifi」をたどり、「ネットワークを追加」に進みます。
ステルスSSID に繋ぐには、ネットワーク名(SSID)とパスワードを入力するだけではうまくいきません(つながりません)。
ネットワーク追加の項目の下にある「詳細オプション」をタップします。この詳細オプションが曲者で、Fire タブレットの場合はオプションの一番見たい部分はスクロールしないと中身が見えません。このことに気づかないことが多いです。
スクロールして下までしっかり見ると「非表示のネットワーク」という項目が見えます。ステルスSSIDにつなげる場合は、ここの項目を「はい」に設定する必要があります。
古い OS の場合はこのような設定がないため、初めての方は焦ったかもしれません。ステルスに接続する場合は、わざわざ自分から非表示ネットワークを指定する仕様です。
以上で、Fire タブレット(android 9 以上の端末)へのステルス SSID の設定は終了です。
Amazon のプライムセールで10.1インチのFire HD 10 タブレットが安くなるので、ただですらコスパのいいものですので狙ってみてもいいと思います。
以下は、ちょっとばかりステルス SSID についての考察です。
時間がある方は読んでみてください。
ステルスSSIDの何が悪い
一般的な意味での Wi-Fi ステルスSSID とは、Wi-Fi ルーターやアクセスポイントからは、SSID をパソコンやスマホなどに通知しない通信設定のことです。要は Wi-Fi の電波を飛ばすアクセスポイントから SSID を積極的に垂れ流さない設定が「ステルスSSID」です(メーカーによっては SSID を隠す・見えなくする設定と表現されます)。
GAFA の一角である Amazon の主力デバイス、Fire タブレットでステルス SSID にデフォルトで容易に接続できないのは、何がしかの意図があると思うのが普通です。iPhone のように SSID を指定すれば、ステルスだろうがそうでなかろうが、目的の SSID を引っ張ってきてつなげてほしいと思うものです。
このステルス SSID ですが、SSID を隠す、秘匿することで安全面・セキュリティが向上すると考える初心者が多いようですが、実際のところセキュリティに関しては大して向上しません。
というのも、SSIDをステルス化(隠)しているからといって、電波そのものが出ていないわけではなく、例えば、Windows10ではワイヤレスネットワーク一覧を開いてみれば「非公開のネットワーク」と、iPhoneでは「その他」のネットワークとしてステルスSSIDのWi-Fiが来ていることを容易に認識できるからです。つまり、アクセスポイントがあることがバレバレです。
アクセスポイントがあることか確認できれば、使用する端末で「動的スキャン(アクティブスキャン)」を行うことで、隠れたSSIDを見つけ出すことが可能です。この技術そのものは、android のフリーソフトなどでも提供されているように、高度なものでもありません。
つまり、これらの最新の現状から、「SSID をステルス化しようがしまいが、セキュリティとしては大差ないよ」、さらに、ステルス化している SSID には、それをわざわざ必要とする特定のユーザーが接続しているので、ハッキングのターゲットにしがいがあると考える輩も多いといえます。このことから Amazon (あるいは android)としてはステルス SSID はあまり奨励しないということなのかもしれません。
現に端末を「非公開ネットワーク」に接続する設定にすると、その端末が Wi-Fi に接続できていない状態で、SSID の乗らない Wi-Fi 信号がビンビン来ている環境に移動すると、端末自ら定期的にステルス SSID をさらした信号をブロードキャストしてネットワークを探すすことになります。
このことは、秘匿している SSID を関係のない場所もさらしてしまうリスクがあるということになりますので、セキュリティ上のリスクが生じると考えているようです。
でも、ステルス SSID は使える機能
これまでのセキュリティリスクとされているものを考慮しても、当サイト的には、ステルス SSID は利用する方が、ネットワークがややこしくならなくていいと考えています。最近のデバイスは、ほとんどが Wi-Fi 接続前提で存在しています。
特に都会、都心のような電波が飛びまくっている環境では、個人レベルや小規模のオフィスレベルのWi-Fiは隠しておいてくれた方が、他人には親切だと思います。
自分の出先で、スマホから Wi-Fi に繋ごうとすると、そこらじゅうの SSID を拾てきて「どれに接続する」と迷うようなケースは多々あります。自分に関係のない SSID はできれば見たくないというのが普通の感覚ではないでしょうか。
いたずらするつもりもない人なら、わざわざステルスSSIDをスキャンして、さらにパスワードを破って接続しようとまでは思いません。
ステルス SSID にすることでセキュリティ的に有効であると誤認識でもしていない限り、実際のところ大した問題ではありません。Wi-Fi 一般にパスワードなしで接続できる設定でも常用していない限り、SSID がバレようがバレまいが大した問題ではありません。しっかりパスワードの方を設定しましょう。
SSID には人を誘うような名前はやめること
プライベートでやってしまいがちな SSID 名には「Mayumi's Phone」とか「Lovely Angel」とか、特定の人の好奇心をそそる名前があります。余計な他人の無許可接続チャレンジを避けるためにも、やめたほうがいいです。
かくいう私も、ずいぶん昔某アジア諸国への出張中、飛行機から飛行場までのバス移動の際、見知らぬビジネスマンのディザリングを無断拝借して、15分ほど無料ネットアクセスをさせてもらった経験があります。これも、SSIDに「Taro's Job」などカモりやすい名前を使われていたからで、たまたま接続チャレンジしたら繋がっちゃったというのがホントのところです。多分どこかの会社の、出張社員専用のモバイルルーターなんでしょうけれど。
SSID を人に積極的に見せる必要はない
さっさとまとめると、
まとめ
- Fire タブレットなと、android 9 以上をベースにしたシステムだと、ステルス SSID にそのまま接続しない
- ネットワーク追加で詳細設定から非公開ネットワークへの接続を「はい」にすればステルスに接続できる
- 現在のところ、ステルス SSID は奨励されていない接続になりつつある
という感じです。
でも、人様のエリアで Wi-Fi に繋ごうとすると、様々な SSID が表示されて訳が分からなくなることもあります。特にプライベートで運用しているネットワークは、管理者側も見知らぬ人を接続させる気はないと思いますので、SSID は非公開にしても不利益は少ないと思います。現在のところ、特に移動しない端末(たとえば自宅内のネットワークだけで使うだけの端末)を、ステルス SSID を端末に設定して使う分には、まだデメリットよりメリットの方が多いといえます。
逆に、比較的ゲストが多いオフィスや自営業者が、フリー Wi-Fi 等のサービスを行う場合は、ステルスにせず、宣伝の意味も込めて自社名などを入れた SSID を公開するのは大アリだと思います。
かといって、完全に日の好奇心を呼び込まない SSID 名を使うというのも難しいかと思うので、個人レベルでの SSID はステルス化して運用することは、それほど悪いことではありません。