本ページはこんな方におすすめ
- Windows パソコンにセキュリティソフトを入れたい
- Windows のセキュリティソフト、どれがいいか知りたい
- Windows のセキュリティソフトに不安を感じる
パソコンを購入したり新調したら、よく出くわすのが「セキュリティソフト初年度無料」などのバンドル文句です。
私のようにPCに比較的触れる期間が長い人、長かった人には、ウィルス検出ソフトや、ハッキング対策ソフトの多くは、PCのパフォーマンスを下げるという悪いものという認識が普通です。
PC初心者には「セキュリティソフトは入れたほうがいい」などとすすめておきながら、自分のPCには入れない、アンインストールしてしまっているということがよくあります。そのため、リリースしたソフトウェアが流行りのウィルス検出ソフトに「マガイモノ」として検出されたりする事故が起きることがあります。
セキュリティソフトは本当に必要なのか?
有名なセキュリティソフトといえば、「ノートン(Norton)」、「マカフィー(McAfee)」、「トレンドマイクロ(TREND MICRO)」、「カスペルスキー(kaspersky)」「イーセット(ESET)」という感じでしょうか。私的には米国系、アジア系、ロシア系、チェコ系という感じに捉えています。欧旧共産系がプログラミングとして優れているという感覚があります。
これらはセキュリティソフトの中では大手です。そのため、大手のPCにバンドルされて、数ヶ月から一年程度は無料でその機能が使える機会もあります。
ただ、この手のソフトは、PC初心者(WordやExcelやPowerPointだけ使えればいいという方)には重宝しますが、プログラマや開発者にはうざったらしいものです。というのも、無闇に検出機能が発動し、自分がせっせと作ったコードがヤバイみたいな警告を発し、システムスキャンを頻繁に促すなど、PC作業に与える影響が少なくありません。
また、ワレザーなら痛感しているかと思いますが、特別大したことないパッチ(プログラム)をトロイだと騒ぎ立ててみたり、特定のホストをブロックしたら不適切なファイルの書き換えが行われたなどと大騒ぎします。セキュリティソフトが本気で起動すると、PCに負荷がかかり、ハードディスクへの書き込みも遅くなります。しかも、勝手に保護と称してソフトが大切なファイルを別フォルダに移動させり、消去してしまうみたいなこともします。
ある程度、PCに慣れ親しんだ人には、おせっかい、やかましいものでしかありません。
結論から言えば、Windowsユーザーは標準装備の Microsoft Defender だけ使っておけば大丈夫です。新品パソコンに付属してくるセキュリティソフトは、試用期間がすぎればそのままアンインストールしても大丈夫です。試用期間を待つもの鬱陶しいなら、始めからインストールしないか、初めてPCを起動した時にそのままアンインストールしても大丈夫です。
セキュリティソフトは性能評価せよ
セキュリティソフトで知りたい能力は、「未知のウィルスを含め検出できるか」、「不正メモリアクセスをブロックできるか」、「正常なファイルをウィルスと誤認しないか」、「PCに負荷がかかりすぎないか」という点です。
こういった視点で、セキュリティソフトを性能評価すると言っても、自分でやると大変です。
そこはそれを専門に行なっている機関のデータを参考にしましょう。
有名な第三者機関は、ドイツのマクデブルクに拠点がある「AV TEST」(https://www.av-test.org/de/)、オーストリアのインスブルックに拠点がある「AV comparatives」(https://www.av-comparatives.org/)があります。いずれも、スポンサーは大手のセキュリティソフト開発会社ですので、大手に有利な結果が出そうな気がしますが、意外とそうでもありません。でも過信は禁物です。
ここでは、AV comparatives の最新のデータをチェックします。
オレンジ色の折れ線が、誤認識を評価したものです。何でもかんでもウィルスと判定しているだけなら、ウィルス認識率は高いのは当然ですが、当然、誤認識も多くなります。安物ソフトでウィルス検出率99.9%でも、誤認識が20%もあれば使い物になりません。ワード文書ファイルを開いても、マクロが付加されているのでウィルスファイルと判断するような低レベルのアルゴリズムだと、弊害のほうが大きくなります。
誤認識はとても鬱陶しいものなので、注目しましょう。
同様にマルウェアについてもチェックです。
上の第三者検証の結果を参照すると、検出性能として Microsoft Defender が優秀であることがわかると思います。
唯、気になる点が、PCに対する負荷はどんなものかという点です。
Emotet(エモテット)について
ある程度の知識がある人は「Emotet(エモテット)」ごときにはビビることはないと思いますが、感染が増えていると聞くと嫌な感じです。
Emotet は、厳密にはスパイウェアの類で、いわゆるシステムを破壊するような意味でのウィルスではありません。
上で取り上げたセキュリティソフトでは、Emotet は自動で削除できないことが多いです。
かといって、特に難しい技術でセキュリティソフトの検出を逃れているわけではありません。単にマルウェアをパスワード付きの圧縮をかけて、メール等に添付して増殖させています。パスワードで固められた圧縮ファイル(例えばzip)を、受信者にパスワードを知らせる形にして、受信者自身にそのファイルを解凍させることで感染さます。
実在のアドレスや人物になりすまして通信してくるので、お人好しは引っかかるのかもしれません。
多くは、メールの内容そのものが中身がありません。そのため、「添付ファイルに中身を書いてあるのかな」と誤認させる意図があるのでしょうが、普通ではありえない書式で、添付ファイルはおそらくゴミだろうと、見抜ける人は普通に見抜くと思います。
普通は解凍の際(パスワードを入れてファイル化する時)に、セキュリティソフトが起動してその悪意のファイルを実行させないのですが、Word や Excel のマクロ実行型だと、設定によっては感染させてしまうかもしれません(ビジネス用途で不便にならないようマクロを常時有効化しているなど)。自身がない方はオフィス系ソフトの「マクロを無効」にするなどの対応をしてください。
嫌なセキュリティソフトはどれか?
私が何度も付き合ってみて、「コイツ嫌だな」と思うソフトが「ウイルスバスター」です。私自身はあまり好きではありません。支払った金額の割に能無しの検出機能、誤認識多し、しかもPC負荷が高いという昔からの印象です。
ただ、ウイルスバスターに慣れていて愛用している方は、私の意見など無視して構わないと思います。大手ですので、上の微妙な意見は大手のソフトを比較した場合の微差かもしれません。また、キャンペーンなどで利用料金が抑えられるのであれば、初心者には易しいソフトだと思います。
それでも有料でいくなら?
基本的に、ある程度のPCの知識があれば、Microsoft Defender で十分ですが、予算を使い切らなければいけない部署や少しでも有料で安心感を得たいという方には、ESETがおすすめです。私の場合、2000年代の始めに、当時キャノンが販売していた(当時は)無名の ESET をフルで使っていましたが、動作が軽いくせに未知のヤバイコードを検出したり優秀でした。このことは現在でも変わりなく、相変わらず優秀です。Microsoft Defender が毎回パワーアップされ、その精度には追いつけなく可能性もありますが、現時点でも Microsoft Defender よりも軽快に動くため、PCの作業を邪魔しないので好感が持てます。
プログラムとしても、例えば NOD32アンチウイルスはアセンブリ言語で記述されているため、軽くサイズも小さく、メモリ消費も抑えられています。
また、良心的な価格設定も手を出しやすいので、総合パフォーマンスでおすすめしています。