Excel の小ネタです。Excel でバリバリ数字を入力していると、書式が引き継がれたり、無視されたり、自分の意図と違ってしまうことがあります。
Excel のセル入力時に書式が引き継がれるには?
次の表をタテ列に読んで、「竹中」さんの次に名前を入力するケースです。
セルa、b、c、d、e、f、g、h、i、jに「マイケル」と入力(コピーはダメ、手入力が必要)すれば、「背景、フォント、文字寄せ」の書式が設定されたまま入力が完了するか、完了しないかが今回のネタです。
セル入力時に書式はどうなった?
まず、結果を見てみます。
「背景、フォント、文字寄せ」の書式設定が引き継がれたのは、a、c、d、jに見えます。しかし、(a、)b、hも潜在的に書式が引き継がれていると考えると理解しやすくなります。
もう1行下に、「ジョージ」と各セルに入力してみます。
一見、書式が無視されたように思えたb、hには、しっかり書式が引き継がれています。
さらに、先ほど入力した各セルの下に、それぞれ「プリンス」と入力してみます。
予想通り、b、hには書式が引き継がていないように見えますが、さらにもう1行下に「ラトーヤ」と入力すると。
しっかり、b、hに書式が設定されるので、b、hのパターンは書式が引き継がれるということがわかります。
入力時に書式が引き継がれるには?
Excel 側の処理としては、まず入力するセルの直前(上もしくは左)にある5個のセルにまずフォーカスしてチェックしています。
- 直近5個のセルのうち、隣接セルを必ず含み、計3セル以上に同じ書式が設定されている。
- 直近5個のセルのうち、隣接せずに、計2セル以上に同じ書式が設定されている。
この条件が同時に満たされる場合は、書式がコピーされます。
四角1の例はc、d、j、四角2の例はa、b、hになります。
もう少しかみ砕くと、入力するセルの直近上5セルを検査して、同じ書式のセルが3つあればそのセルの書式を引き継いで、入力されます。ただし、直近上5セルに規則性がある場合は、それに従います。
直近上5セルに規則性というのは、実際問題1行おきに(交互に)費書式を設定しているような場合です。その場合のみ、同じ書式の行が連続している必要はありません。
理解の仕方としては、直近5個のセルをチェックして規則性がない場合は、連続した2セルとさらに一つ以上のセルに同じ書式が設定されていれば、その書式を引き継ぎます。あるいは、1行(列)おきに同じ書式が設定されている場合は、その該当する行(列)の書式に従います。
紛らわしい例
合計等を出すときに、意識的に空行を一つ含めることがあります。
予想通りb、hのパターンは書式を引き継ぎますが、aはどうでしょうか。この場合、aは引き継ぎません。試しに、aの直下のセルに何か入力してみても、1行おきに設定されるべき書式が引き継がれないことがわかります。
書式未設定のセルがあると紛らわしいだけで、連続するセルに別々の書式を設定したケースと同様だと言うことがわかります。
直近の5セルをチェックするわけですが、その中の過半数を占めるセルの書式が優先されると考えると、勘違いしますので注意しておきましょう。
最後に次の例をみてみます。
aとbとcは一列おきに「背景緑と文字太」を書式設定したいという意図です。
bとcの違いは、cには背景の書式を設定していないセルには、それぞれ文字太と文字斜体の書式を設定している点です。
dは文字右揃えの書式をセル3つに設定しています。
今までの例の通り、それぞれの列の直下に新しい文字を入力してみます。
aは直近5セルに共通の書式が3セル以上なく、1行おきの背景緑の書式は適用されず、普通に書式を引き継がなくなりました。
bの結果はこれまでの通り、書式を引き継ぎます。
cの例では、1行おきの規則性は無視されて3セル以上に共通の書式を引き継ぎます。
dの例では、直近5セルに共通の書式が3セル以上ないので、書式は引き継がれません。
つまり、一つ飛ばしの(一行おきの)書式設定では、基本ルールか少し変わりますので、注意です。
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